テーマ:ドーバー海峡

ホッと空の物語55‐続きはイタリア・アルプス紀行から

ドーバー海峡トンネル工事終了後も、大型案件が目白押しであった欧州へ多くの技術調査団が派遣された。来るべき国内重要案件への参考にするためである。 欧州の鉄道網のネックはドーバー海峡とアルプス山脈である。海峡の次はアルプス横断鉄道トンネルで、すでに計画は動き出していた。 一回目は1995年6月10日から6月18日の間で、鉄道関係者に…
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ホッと空の物語54‐瞬きの終わりに

瞬きのおわりに 英仏海峡を陸続きにする夢は、私が入社する頃に二回目の計画が起こり、掘削機も完成して工事開始寸前まで行ったが経済問題から頓挫した。そして10年後の1980年代半ばに三回目として挑戦された。 この10年の間に日本の掘削機は手掘式から機械式、そして密閉式と驚異的に進歩した。三回目の局面ではKHIは硬岩用TBM技術と大口径軟…
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ホッと空の物語53‐海峡のモグラ-世界の頂点へ

こうして密閉技術を駆使した泥水シールドや土圧シールドといった日本のシールド式トンネル掘削機は技術・名声共に世界のナンバーワンにかけ上がった。ドーバープロジェクト成功の余勢を駆って、わが社だけでなく、国内主要各社は、イギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、米国、豪州そして中国、タイ、シンガポール等の東南アジア、インド、中近東へと進出して…
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ホッと空の物語52‐海峡のモグラ-不朽のモニュメント

T2ヨーロッパ号の20.009Kmの5月24日到着に続きT3カトリーヌ号も、1991年6月28日に18.857Kmを掘削して完了した。平均月進はT2が664m、T3が685mで契約の530mをはるかに超えるものである。ちなみに従来の実績では150m~200mである。月進最高はT3の1178mで世界最高記録である。 カッタヘッドが回転し…
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ホッと空の物語51‐海峡のモグラ-高速施工と記録

掘削作業は3シフトで24時間、364日行われた。休みは12月4日のセント・バーバラの日だけである。 1989年6月に破損したカッタヘッドを補強修理し終わり、完全にブルーチョーク層に入って、10月からは月進600mをコンスタントに出せるようになった。 掘削とセグメント組み立てを同時に20分、TBM後胴の前進(盛り替)に10分。つまり3…
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ホッと空の物語50‐海峡のモグラ-カレーの市民‐2

T2の掘削開始は1988年12月6日で、終了は1991年5月24日の20kmである。 この間に、世界は大きく変った。 1989年1月7日に昭和天皇が崩御した。日本時間の早朝6時半だったが、フランスでは6日の午後10時半である。すべてのフランスのテレビが緊急放送を始めたのを記憶している。日本に電話したが、国内ではまだ情報は伝わりきって…
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ホッと空の物語49‐海峡のモグラ-カレーの市民ー1

掘削のスタート地点は、サンガットと言う小さな町である。宿舎を置いていたカレー市から車で20分ほどである。通勤は提携したタクシーを利用した。カレーの市庁舎の前の庭には「カレーの市民」の像がある。この像はオリジナルの鋳型から作られた12のエディションの一つで第一番目のものである。ちなみに東京の国立西洋美術館に9番目のものがある。これは195…
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ホッと空の物語48‐海峡のモグラ-来たー!ブルーチョーク

掘削作業は当初から3シフトで24時間行われた。第一シフトは午前5時から午後2時まで、第二は午後0時から午後9時、第三は午後8時から翌日5時である。私は責任者であり、TMCとの毎日の会議もあるので第一シフトに入った。朝3時半におきて、朝食を食べ、昼食の弁当を持って4時半には現場入りする。そしてシフトが終った後も、第二シフト終了まで残らざる…
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ホッと空の物語47‐海峡のモグラ-難物グレーチョーク

さて数十mの掘削が進んでいくと、海岸を過ぎて、いよいよ海峡下に入る。そして地山は亀裂が多くなり、水圧がかかり始めた。ここはグレーチョークである。ブルーチョーク層は650m以上先でないと出現しない。この650mが実に長かった。半年以上掛かった。ブルーチョーク層まで立抗を深く掘れば良いのであるが、そうすると地上側のアクセストンネルが長くなり…
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ホッと空の物語46‐海峡のモグラ-艱難辛苦の初期発進

最初の5リングのセグメントを組立てる(仮リング)と、6リング目からTBMはドーバーの地山に突入することになる。契約どおり、12月5日に準備完了となった。 盛大な発進セレモニーが行われ、T2機はヨーロッパ号と命名された。さあ出発と言う段階で、仏人オペレーターが動かない。先ほどまで運転していたのに、出来ないと言う。「このボタンを押せば良い…
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ホッと空の物語44‐海峡のモグラ-シアトルの思いで

一回目は1987年6月29日から7月2日で三社コンソーシアム中、二回目は8月23日から9月4日で欧州調達の勉強のため、三回目は11月6日から9日で欧州規格と予備品管理のためにシアトルに出かけた。このプロジェクト終了後も、頻繁に行くことがあったので、この街も馴染みになった。 二回目、三回目はロビンスからはお客様のような丁寧な扱いをうけた…
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ホッと空の物語38‐海峡のモグラ-真相は?

オーレ事務所で作業をしていると、霧が晴れる用に、これまでの流れが想像できた。 施工者グループは泥水派のCTGと土圧派のTMCが受注を争い、TMCが勝利して機種は土圧式になった。必要な密閉技術は小杉が提供した。そしてT1からT5までの全機がロビンスになっていた。製作は仏国内で製造するという政策に沿って北フランスのソムデラトル社で行う…
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ホッと空の物語35‐海峡のモグラ-単独責任の重み

二社コンソーシアムの単独責任。。。。 翌7月7日(火) 二社での遂行を議論したが、たいした結論も無く、すっきりしないままに時間が過ぎて行った。そして夕方になってディックが本音を吐いた。 ディック: 基本的にはKHIの仕事である。ロビンスはコストをよく把握していない。エンジニアが足りない。220MFの時、コストダウンに協力したか…
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ホッと空の物語34‐海峡のモグラ-青天の霹靂

7月6日、パリのオーレ事務所 ディック、ロビンスの顧問弁護士デュプレー、杉村、端元、近藤そしてオーレと主要メンバー全員が揃っていた。 FCBが離脱しロビンスとKHIの2社で続行することになった。シアトルで離脱しますと言ったが、なぜかロビンスは残ってきた。そしてわたしのすぐ後にパリに戻ったようだ。 情勢分析と今後の対応を練るというこ…
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ホッと空の物語31‐海峡のモグラ-同床異夢の三社

三社コンソーシアム 2月26日(木):TMCマルタン社長、フィルマン氏へ三社合意を報告した。マルタン氏は非常に喜んだが、三社であってもコストが合わなければ発注できないと釘を刺すのを忘れなかった。 新たな段階に入ったと言う満足感を持って、2月29日(日)に帰国した。 二週間ほどあわただしく、三社コンソーシアム協議用の必要書類や、…
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ホッと空の物語27‐海峡のモグラ-出直しの設計ブックを携えて

MCSの実験は三分の一の縮尺規模で、日本で行うことになった。試料はフランスから約40トンのチョークを取り寄せる事にした。この時にチョークには上部からホワイト、グレー、ブルーの三種がある事を知った。仏側立抗にはブルーは出現しないのでグレーで試験を行う事にした。3月には開始する予定とした。 改めてTMCの仏文要求仕様書をきちっと和訳して読…
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ホッと空の物語-11 TBM技術者としてスタート

大学の研究内容にあまり興味を持てなかったので、就職を選んだ。1972年で就職は比較的希望がかなう時代だった。重工関係の会社に入社して、土木機械課に配属された。シールドやTBMのトンネル掘削機の設計部門で20名程の小部隊で創設は1963年と歴史の浅い部門だった。 最初は米国のライセンスを基に国産化した硬岩用TBMに関わった。その他に小型…
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ホッと空の物語-1

瞬きのはじめ  ゴロリと横になると、芝生の匂いが心地良い。今日の陽射しは北フランスの古都リールの11月初旬にしては暖かい。空に北北東に向かって飛行機雲ができている。あの高度なら日本行だろう。俺はいつ乗れるのだろうか。とても不安になった。 ドーバー海峡トンネル用掘削機(TBM)の受注競争が始まった1986年のことである。 瞬きを…
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