ホッと空の物語37‐海峡のモグラ-勝利の美酒

TMCとの協議は仕様、契約条件の一語一句をつめていく。後日の係争の目を完全に摘むためである。この業界では実施段階で紛争になることもあるが、このプロジェクトではそのようなことを避けるため、用語の誤解釈がないように一語毎に意味を確認しあい、必要なら用語を変更して合意していった。しかしこの時点では互いに知識、認識の不十分なこともあり、予測しが…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語36‐海峡のモグラ-最後の苦闘

7月10日から、不眠不休の苦闘の日々が始まった。午前はオーレ事務所で書類の準備、午後はソファーで仮眠、夕方からTMCと協議そして夜遅く終了と言う日々が続いた。 TMCとDHIが夕方まで交渉していたので、我々は隠れるように夕方こっそりとTMCの門をくぐった。午後5時頃から出かけ、10時、11時過ぎまでミーティング。それから食事に行く。オ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語35‐海峡のモグラ-単独責任の重み

二社コンソーシアムの単独責任。。。。 翌7月7日(火) 二社での遂行を議論したが、たいした結論も無く、すっきりしないままに時間が過ぎて行った。そして夕方になってディックが本音を吐いた。 ディック: 基本的にはKHIの仕事である。ロビンスはコストをよく把握していない。エンジニアが足りない。220MFの時、コストダウンに協力したか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語34‐海峡のモグラ-青天の霹靂

7月6日、パリのオーレ事務所 ディック、ロビンスの顧問弁護士デュプレー、杉村、端元、近藤そしてオーレと主要メンバー全員が揃っていた。 FCBが離脱しロビンスとKHIの2社で続行することになった。シアトルで離脱しますと言ったが、なぜかロビンスは残ってきた。そしてわたしのすぐ後にパリに戻ったようだ。 情勢分析と今後の対応を練るというこ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語33‐海峡のモグラ-不可解な動き

三社から二社へ... コスト積算を待つ段階で、不可解な動きが出てきた。 5月08日(金)になって、T2,3は原点に戻ってスラリー式が採用されるとの情報が何処からか出てきた。これに対して、FCBとロビンスはT1と同じ形式の土圧式を本案とし、スラリー式はオプション(別途見積り)で出す。MCSの土圧式は出さないと言いだした。 何故こんな…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語31‐海峡のモグラ-同床異夢の三社

三社コンソーシアム 2月26日(木):TMCマルタン社長、フィルマン氏へ三社合意を報告した。マルタン氏は非常に喜んだが、三社であってもコストが合わなければ発注できないと釘を刺すのを忘れなかった。 新たな段階に入ったと言う満足感を持って、2月29日(日)に帰国した。 二週間ほどあわただしく、三社コンソーシアム協議用の必要書類や、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語30‐海峡のモグラ-ディックの願い

その夜、彼我の形勢分析をじっくりと行った。最後に、杉村部長が「こちらがわずかかも知れないが強いと思う。明日は押すぞ」と断を下した。 明けて2月21日(土):土曜日。 ディック:昨日小杉とコンタクトを試みたができなかった。したがって結論が出ない。   しかしロビンスとしてはCo-opを続けたい。ポイントは2つである。   …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語29‐海峡のモグラ -三つ巴

ロビンスとの交渉は、小杉の問題が暗礁に乗り上げ膠着したままであったが、2月19日に杉村営業部長が来仏して事態が動いた。 1987年2月20日、21日(土)は大きな転換点だった。KHIはFCBに対し「小杉を公式参加させないこと」を確認しその上でロビンスの言い分を聞いた。 ロビンス社長ディック TBMのコンセプトはTRC(ロビン…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語28‐海峡のモグラ-リベンジはパリから

エマニュエル・オーレ事務所はパリ8区にありフランス国鉄(SNCF)サンラザール駅前で、R.Sato事務所の近くである。周りにはプランタンデパート、オペラ座などがある。パリの常宿にしていたホテルアリソンはマドレーヌ寺院の周辺である。近くのサント ノーレ通り(Rue Saint Honore)にはエルメス、グッチなどの有名ブランド店が並んで…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語27‐海峡のモグラ-出直しの設計ブックを携えて

MCSの実験は三分の一の縮尺規模で、日本で行うことになった。試料はフランスから約40トンのチョークを取り寄せる事にした。この時にチョークには上部からホワイト、グレー、ブルーの三種がある事を知った。仏側立抗にはブルーは出現しないのでグレーで試験を行う事にした。3月には開始する予定とした。 改めてTMCの仏文要求仕様書をきちっと和訳して読…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語26‐海峡のモグラ 執念の直訴

12月10日(水)午前、TMCのフィルマン、ゴルティエに春日、R.Sato、滝川らと会った。 春日:ようやくお会いすることができました。FCBと協働しており、前面には出ていませんが技術者を派遣していました。 フィルマン:近藤が来ているのは知っていた。彼のMCSの話しは聞いたが遅すぎると思う。試験をして全てが明らかになっていれば別…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語25‐海峡のモグラ FCBのおもい

12月08日(月)、春日技術部長が来仏。ロリドンと経緯の総括をした。 こちらから「TMCの件はFCBにとっても、KHIにとっても重要である。相手のロビンスには小杉がついている。その上DHIにも出られたら、我々の日本国内事業に影響が出る。FCBは大丈夫と思っていたが残念である」と問うと、ロリドンは悔しさと怒りを押し殺しながら、「決って…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語24‐海峡のモグラ かすかな希望?

12月3日に、TMCからスクリューコンベア(SC)の実験をしているので見に来ないかと連絡があった。場所はカレー市のすぐ南東の発進縦抗が構築される予定のサンガット近郊である。TMCに会う最初で最後のチャンスと出かけたが、応札参加者の一人として、公平感を出すために呼ばれたのであって、我々は明らかに邪魔者扱いであった。 ただ何人かのTMC…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語-23 海峡のモグラ‐反撃の新技術

どんな展開になったとしても、今は新型SCのコンセプト(基本的考え)をしっかり固め、質問に応えられ、効能を説明できるように理論武装することが重要であると考えた。 SCは長くすれば、それに比例して耐水圧性能が上がる。しかし、TBMの寸法を大幅に超えて長くはできない。ここに耐圧の限界がある。そして大気圧下での運転は無駄な動力を使わないために…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語-22 海峡のモグラ‐T4も敗色濃厚に

10月31日(金)になって、T1の結果が判然としない中、FCBがT4のオッファはしないと言い出した。どうもTMCより土圧式でのオッファを求められたようである。 新型SCはまだ単なるアイデアの段階である上、土圧式シールドを良く知らないFCBの判断はやむなしと思われた。 なぜこうなったのか? 元の要求は泥水式である、これは先頭を走ってい…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語-21 海峡のモグラ‐T1の敗退

受注近し、と打電した翌日の14日に不安な情報がもたらされた。ウルパイン氏よりR.Satoへ電話があって「DHIはニューアイデアのダブリュスクリュー(W/SC)排土の土圧式である、泥水式のFCBは必ずしも安泰では無い」と連絡が入った。 DHIは耐圧性能を上げるため、長いスクリューを直列に2台接続した(W/SC)シールドであった。このアイ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語-20 海峡のモグラ‐北フランスの生活

1986年10月5日(日)から長い受注のドラマが始まった。  それを暗示する出来事が出発日に起こった。夕方パリCHD空港に着いたが予定の迎えの人が一向に来ない。各到着便も終わって空港も閑散としてきた。日本航空のスチュワーデスの一人が「どうかしましたか、迎えがいないなら一緒にホテル日航に行きませんか」と誘ってくれたが、強がりから断ってし…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語‐19 海峡のモグラ-仏企業と共に

1986年の7月にTBM各社は技術仕様書と見積書を提出した。我陣営は、陸上側、海峡側共にTMCの要求仕様どおり、泥水式で応札した。日本勢の他社は海陸共に新型スクリューコンベア(SC)を採用した土圧式、米国ロビンスもスクリューコンベアの後部に新鋭の耐圧装置を装着した土圧式とのことであった。 TMCによるヒアリングの後、9月になって、最初…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語‐18 海峡のモグラ-ドラマのスター達

10月になって、各社の技術評価、質疑応答が始まった。 ドラマが開演した。 出演者は以下の通り。 TMC(トランスマンシュコンストラクション):フランス側施工業者の企業体(JV) マルタン:TMCの社長。泥水推進派。純朴鷹揚なジェントルマン。 フィルマン:TMC技術担当、出身は仏最大ゼネコンのブイグ社のTBM設計部長。 アラ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

ホッと空の物語‐17 英仏海峡トンネルの構造と機種の示唆

英仏海峡は英国名はドーバー海峡、仏名はアングロフレンチ海峡または単にラ・マンシュと言う。地層は繋がっていて、海峡は上部のホワイトチョーク層を掻きとった感じで形成されている。 海峡の地形は45万年前に形成されたと言われている。太古はこのあたりは海底下にあったので陸地はチョーク層や石灰岩でできている。その後隆起した時、イングランド島は…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more