ホッと空の物語34‐海峡のモグラ-青天の霹靂

7月6日、パリのオーレ事務所
ディック、ロビンスの顧問弁護士デュプレー、杉村、端元、近藤そしてオーレと主要メンバー全員が揃っていた。
FCBが離脱しロビンスとKHIの2社で続行することになった。シアトルで離脱しますと言ったが、なぜかロビンスは残ってきた。そしてわたしのすぐ後にパリに戻ったようだ。
情勢分析と今後の対応を練るということで集まったが、特別な妙案がある訳では無く、重苦しい空気に感じていた。 私は長旅続きの疲れや空腹でぐったりとソファーにもたれていた。誰かが「遅いナー、ボツボツ夕食でも行こうか」と言う英語だったか仏語だったかの声が聞こえた。私は何が遅いと言うのかな~と思った。確かにこの季節はフランスでも日没は10時過ぎで、夕方8時から日焼けをする時期である。そうしよう、ワイン で気付けをしようと重い腰を上げた、そのときである。

突然フィルマンが現れた。満面に笑みをたたえ「ツールモンド、ジュシーデゾレ、デゾレ(皆さん、ごめんなさい)」と握手をしながら入ってきた。そして言う。

フィルマン: PHW離脱のアグリーメント出来たか。
ディック: 未だであるがEasyである。
フィルマン: OK、もう彼等は入ってこないな。
ディック: もちろん。
フィルマン: FCBは価格が高い、興味ない。もし、TRCに発注したとき、どこで作るのか。
ディック: 50%以上は日本である。電気と油圧はフランスである。
フィルマン: OKである。仏のポーションは大きいほど良い。

そして、夕食を一緒にどうかとのオーレの誘いを無視して、悠然と部屋を出て行く。ディックとオーレがこちらを向いて、親指を立てて突き出す。やった、獲ったという合図である。
その時、それまで晴天であった空が急に真っ黒になったと思うと、雷がピカッとひかり、ドザーと大粒の雨が降り始めた。フィルマンはと言うと、その中を悠然とサンラザール駅に歩いていく。何日までも忘れえぬ光景である。
 私は、TRCに発注してなぜ半分日本とディックが答えるのか、彼の来訪の意味は分からなかったが、これで勝ったとロビンス側は騒ぐ。あっけに取られながらも私もそう感じた。

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