ホッと空の物語31‐海峡のモグラ-同床異夢の三社

三社コンソーシアム
2月26日(木):TMCマルタン社長、フィルマン氏へ三社合意を報告した。マルタン氏は非常に喜んだが、三社であってもコストが合わなければ発注できないと釘を刺すのを忘れなかった。
新たな段階に入ったと言う満足感を持って、2月29日(日)に帰国した。

二週間ほどあわただしく、三社コンソーシアム協議用の必要書類や、コスト表、分担試案などをまとめて、それを持って1987年3月17日(火)再度、渡仏した。

3月19日(木)からT2,3について、ロビンス、FCBと三社でコンソーシアムの分担協議を始めたが、各社のエゴが出てなかなかまとまらない。その上TMCからの様々な質問への対応にも追われていた。
遅々として進まぬ状況にTMCからは、T1のロビンスグループ(ロビンスSNC)も見積りを出せ、つまり、ロビンスは両方で応札せよと迫ってきた。単独では遂行できないディックは焦りだし、早く実務協議をしたいとしきりに催促するが、FCBの準備が進まない。そこで私はリールに出向き、FCBの各部門責任者を回って情報を提供しながら作業を督促した。
3月25日(水)にようやくロビンスの法的な問題がクリアになり、三社は正式にコンソーシアム契約を締結した。三社の分担を決める方法として、三社が独自に見積もりをして、安い価格を出したところが担当すると決めた。しかし実力不足のFCBから対等な条件は無理と不満が出たので、私が助けながら大枠のとりまとめを急がせた。
4月1日、TMCからT4についての要求仕様書が発行された。三社では無視をした。
4月13日になって漸く、FCB、ロビンスとT2,3のコスト、基本仕様について協議を始めた。ロビンスからは設計責任者のデイブ・キャスとピーター・ダウデンが来た。TMCに提出する図面はFCBリールで作成することになった。TBMの基本構造はMSC装備のスライドヘッド型土圧式で決まっていた。掘削性能を決めるカッタヘッドの基本計画もロビンス方式と合意していたが、私はどうしてもKHI方式を採用したかった。作図は20日から22日までマジョルコピッチと言うポーランド系フランス人にCADの操作をしてもらった。朝から夕方まではロビンス式の図面を作り、夕方から夜になってKHI式の図面を書いてもらった。提出直前にKHI式に差し替えたが、ディックは驚きの混じった苦笑いをしたが反対はしなかった。
4月23日(木)、T4はDHIで決定との情報があった。しかし目標はT2,3であるので、動揺は無かった。実際のT4の発注は随分のちでT2,3決定後となった。
画像

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック