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zoom RSS ホッと空の物語ー5 実家の記憶

<<   作成日時 : 2016/04/26 15:09   >>

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実家は讃岐の西の方にある七宝山の東山麓に位置している。
屋敷は、南北30m、東西20mくらいある。南東の角に門があり、アプローチが左にゆるいカーブを描いて母屋の玄関に向かっていた。
便所は母屋の西面にあるが奥座敷を通って一度、外に出るので、夜は怖わくて、1人では行けなかった。床は高いので板敷居間の土間からもぐって床下で遊ぶことが出来た。母屋の南に隣接した建屋にカマドと流しがあり、炊事場になっていた。水は南西の外の井戸からつるべで汲んで運ぶ。この井戸は夏、スイカを冷やすのに良く利用した。
敷地境の西面は斜面になっていて、竹林や椿の木、クヌギの木があり、北面はシュロの木と大人の二抱えもある立派なモチノ木がある。東面は槇の木が境上に植えてある。高松に転居する数年前に、南面と槇の木の間にバベの木を植えた。
風呂に入るのに雨が降ると濡れるというのでこの梅ノ木を切って屋根をつけることになった、母は反対していたが、父はこの梅ノ木を嫌っているように感じた。父が木に登り、上から順番に手ノコギリで枝を切って行った。枝には縄を付けていて切り落ちそうになると、兄が引っ張って遠くに落とすことになっていた。
母は昔からの木を切ることに憤慨していて寄り付かない。いよいよ幹の切断にかかった。1個目、切った木塊があわや父の足の上に落ちかかった。父はしっかり引けと吼えたが、私が思うに、木塊が大きすぎて兄の力では無理だと思った。2個目に掛かった。まもなく落ちるという時、私にははっきりと視えた。でかい木塊が父の左足甲に落ちるのを。「危ない、左足どけろ」と叫んだが、「しっかり引け」と。数秒後、果たして悲劇は現実になった。足の甲の骨が砕けてしまった。母は古い木を切った祟りやと言っていた。

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