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ホッと空の物語50‐海峡のモグラ-カレーの市民‐2
ホッと空の物語50‐海峡のモグラ-カレーの市民‐2 T2の掘削開始は1988年12月6日で、終了は1991年5月24日の20kmである。 この間に、世界は大きく変った。 1989年1月7日に昭和天皇が崩御した。日本時間の早朝6時半だったが、フランスでは6日の午後10時半である。すべてのフランスのテレビが緊急放送を始めたのを記憶している。日本に電話したが、国内ではまだ情報は伝わりきっていなかった。 同じく1989年11月9日には突如として東西ベルリンの壁が開放され、多数の東独の人々が西ドイツになだれ込んできた。あれほど堅牢な東独がまさかの感で... ...続きを見る

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2017/10/12 14:00
ホッと空の物語49‐海峡のモグラ-カレーの市民ー1
ホッと空の物語49‐海峡のモグラ-カレーの市民ー1 掘削のスタート地点は、サンガットと言う小さな町である。宿舎を置いていたカレー市から車で20分ほどである。通勤は提携したタクシーを利用した。カレーの市庁舎の前の庭には「カレーの市民」の像がある。この像はオリジナルの鋳型から作られた12のエディションの一つで第一番目のものである。ちなみに東京の国立西洋美術館に9番目のものがある。これは1953年鋳造、1959年に設置されたものである。 派遣員はメゾンを借りて分散して住んでいた。私もホテルからメゾンに移った。部屋は一階の南向きであったが、道路脇で無用... ...続きを見る

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2017/09/25 14:47
ホッと空の物語48‐海峡のモグラ-待ちに待ったブルーチョーク
ホッと空の物語48‐海峡のモグラ-待ちに待ったブルーチョーク 掘削作業は当初から3シフトで24時間行われた。第一シフトは午前5時から午後2時まで、第二は午後0時から午後9時、第三は午後8時から翌日5時である。私は責任者であり、TMCとの毎日の会議もあるので第一シフトに入った。朝3時半におきて、朝食を食べ、昼食の弁当を持って4時半には現場入りする。そしてシフトが終った後も、第二シフト終了まで残らざるを得ない。それからメゾンに帰宅、食事を作って就寝は午前様、睡眠時間は一日2,3時間という日々が、春先まで続いた。今なら過労労働で問題のレベルである。 4月後半に... ...続きを見る

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2017/09/01 13:19
ホッと空の物語47‐海峡のモグラ-チョークの正体と事故の萌芽
ホッと空の物語47‐海峡のモグラ-チョークの正体と事故の萌芽 さて数十mの掘削が進んでいくと、海岸を過ぎて、いよいよ海峡下に入る。そして地山は亀裂が多くなり、水圧がかかり始めた。ここはグレーチョークである。ブルーチョーク層は650m以上先でないと出現しない。この650mが実に長かった。半年以上掛かった。ブルーチョーク層まで立抗を深く掘れば良いのであるが、そうすると地上側のアクセストンネルが長くなりフランス側基地駅とうまく接続できない。列車は急な坂は登れないのである。 ホワイトチョークは地表から30m位までなのでトンネル部分には存在しない。このホワイトの性... ...続きを見る

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2017/08/21 14:08
ホッと空の物語46‐海峡のモグラ-艱難辛苦の初期発進
ホッと空の物語46‐海峡のモグラ-艱難辛苦の初期発進 最初の5リングのセグメントを組立てる(仮リング)と、6リング目からTBMはドーバーの地山に突入することになる。契約どおり、12月5日に準備完了となった。 盛大な発進セレモニーが行われ、T2機はヨーロッパ号と命名された。さあ出発と言う段階で、仏人オペレーターが動かない。先ほどまで運転していたのに、出来ないと言う。「このボタンを押せば良いのだよ」といっても固まったままである。「分かった、替わってください」と言って、私が栄えある第一歩の始動ボタンを押した。 スタートはしたものの、実際に掘削の負荷が... ...続きを見る

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2017/08/11 13:38
ホッと空の物語45‐海峡のモグラ-サンガットの組立工事
ホッと空の物語45‐海峡のモグラ-サンガットの組立工事 サンガット。。。。 1988年10月24日に現地入りし、サンガットでの予備品収納作業を始めた。一段落した11月に入って、T2のTACチーム(技術支援)のチーフとなることになった。 しかし愕然としたのは、T2の惨憺たる実情である。遅れに遅れた作業は仕方ないとしても問題は現場の殺伐とした雰囲気である。指導陣の方針・指揮が揃わず、その結果として作業員同士もギスギスしている。 12月5日が掘削開始の支払いマイルストーンである。膨大な金額である。残り時間は2週間しか無く、とても間に合いそうにない。し... ...続きを見る

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2017/08/08 13:45
ホッと空の物語44‐海峡のモグラ-シアトルの思いで
ホッと空の物語44‐海峡のモグラ-シアトルの思いで 一回目は1987年6月29日から7月2日で三社コンソーシアム中、二回目は8月23日から9月4日で欧州調達の勉強のため、三回目は11月6日から9日で欧州規格と予備品管理のためにシアトルに出かけた。このプロジェクト終了後も、頻繁に行くことがあったので、この街も馴染みになった。 二回目、三回目はロビンスからはお客様のような丁寧な扱いをうけた。二回目はT1製造をしているポートランドに航空機で行った。シアトルから一時間ほどのフライト(東京⇒大阪程度)で、往復80ドル(11200円)ととても安い。しかもま... ...続きを見る

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2017/08/03 14:01
ホッと空の物語43‐海峡のモグラ-T3出航とT2工場立会
ホッと空の物語43‐海峡のモグラ-T3出航とT2工場立会 出荷および完成検査。。 4月12日にはT3の本体部品がFCBに向けて出荷となった。かってない驚異的なスピードで製作作された。 5月24,25日にT2の客先立会いが行われた。フランスから大勢が検査に来てマルタンも来た。立会いの日は普通、晴れがましいものであるが、今回だけは当社員たちのあの疲れきった姿は異様な感じであった。 この検査を通じて、日仏のマネジメントの差異を知った。日本では上になるほど細かいことは知らないが、フランスはむしろ逆である。細かくても重要度の高い内容は報告がいく。したがって... ...続きを見る

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2017/08/01 09:20
ホッと空の物語42‐海峡のモグラ-パリの生活‐2
ホッと空の物語42‐海峡のモグラ-パリの生活‐2 10月になると、ボジョレーヌーボー(新ボジョレー)と言う新酒のワインが出る。このワインは寝かせて美味しくなると言うものではなく、せいぜい数年で終わりにする。ホテルの近くの表通りをすこし入ったところに、ボジョレーワインを一番に出せる権利を持ったレストランがあって、顧問弁護士のサンソン氏が連れて行ってくれる。外国人だけでは入れてくれない。このオーナーシェフとも懇意になって(それでも日本人だけでは入れてくれない)、ワインのことやフランス料理について教えてもらった。この店は料理も素晴らしいが、特にアント... ...続きを見る

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2017/07/28 13:58
ホッと空の物語41‐海峡のモグラ-パリの生活‐1
ホッと空の物語41‐海峡のモグラ-パリの生活‐1 調達活動でパリの外に出張する以外は、オーレの事務所で仕事をしていた。宿は地下鉄ノートルダム ド ノレット駅の近くのホテルブリタニーにした。このホテルはロビンスがパリの定宿にしていたところで、多い時は同僚8人が宿泊した。因みにノートルとは「我々の」と言う意味でダームは婦人である。つまり我々の婦人=マリア様である。 オーレ事務所はホテルからワンブロック先である。途中に中華料理の「民衆」や、イタリヤレストランがあり夕食に良く用いた。毎日利用しているとおもわぬサービスをしてくれることもある。中華では時... ...続きを見る

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2017/07/28 13:07
ホッと空の物語40‐海峡のモグラ-ドキ・わくの欧州での購入
ホッと空の物語40‐海峡のモグラ-ドキ・わくの欧州での購入 課題は調達品(購入品)である。カッタヘッド駆動装置はロビンスより購入、ジャッキ類は日本製としたが、マンロック、エレクター真空装置、セグメント受取り吊り上装置、掘削延長に伴う資機材受取り装置、大規模受電設備、大容量油圧装置など日本製が無いもの、有っても規格の問題、予備品の問題、契約上の製作比率などからフランスを中心とした欧州で購入する必要があった。すべて初体験の業務であった。 8月23日に改めてT1の勉強と調達品仕様の確認のためシアトルに出かけた。ロビンスはT1製作拠点を米国ポートランドに移して... ...続きを見る

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2017/07/25 10:35
ホッと空の物語39‐海峡のモグラ‐エンジン全開 日本製造
ホッと空の物語39‐海峡のモグラ‐エンジン全開 日本製造 1987年7月25日にT2,3の契約サインが行われ、29日に帰国。31日に社内のキックオフミーティング(スタート会議)が行われた。営業、設計、調達、品質管理、電装など関係部門が集まって、案件の説明、工程、契約内容などを説明して全員のベクトルを合わせる会議である。ただ受注に出発した時の事業部長は「しっかりやって受注して来い。後は引き受ける」と励ましてくれたが、帰国してみると交代しており歓迎ムードではなかった。あまりにも途方もない事をしてくれたと言う事だろう。 ともかく、従来機と比較しても13ヶ月... ...続きを見る

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2017/07/24 13:19
ホッと空の物語38‐海峡のモグラ-真相は?
ホッと空の物語38‐海峡のモグラ-真相は? オーレ事務所で作業をしていると、霧が晴れる用に、これまでの流れが想像できた。 ...続きを見る

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2017/07/20 08:51
ホッと空の物語37‐海峡のモグラ-勝利の美酒
ホッと空の物語37‐海峡のモグラ-勝利の美酒 TMCとの協議は仕様、契約条件の一語一句をつめていく。後日の係争の目を完全に摘むためである。この業界では実施段階で紛争になることもあるが、このプロジェクトではそのようなことを避けるため、用語の誤解釈がないように一語毎に意味を確認しあい、必要なら用語を変更して合意していった。しかしこの時点では互いに知識、認識の不十分なこともあり、予測しがたいこともあり、その表現がどちらにとって有利な解釈になるのか分からない事例も多かった。客観的に判断し易い技術分野でも不明瞭なことが多く、まして商務条件、保証条件と... ...続きを見る

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2017/07/11 10:07
ホッと空の物語36‐海峡のモグラ-最後の苦闘
ホッと空の物語36‐海峡のモグラ-最後の苦闘 7月10日から、不眠不休の苦闘の日々が始まった。午前はオーレ事務所で書類の準備、午後はソファーで仮眠、夕方からTMCと協議そして夜遅く終了と言う日々が続いた。 TMCとDHIが夕方まで交渉していたので、我々は隠れるように夕方こっそりとTMCの門をくぐった。午後5時頃から出かけ、10時、11時過ぎまでミーティング。それから食事に行く。オーレがしばしばシャンゼリーゼのフーケに連れて行ってくれた。このレストランは観光客にも有名であるが、観光客は通りに面した場所で喫茶、食事をする。地元や馴染み客は一階... ...続きを見る

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2017/07/10 10:11
ホッと空の物語35‐海峡のモグラ-二社になり、単独責任へ
ホッと空の物語35‐海峡のモグラ-二社になり、単独責任へ 二社コンソーシアムの単独責任。。。。 翌7月7日(火) 二社での遂行を議論したが、たいした結論も無く、すっきりしないままに時間が過ぎて行った。そして夕方になってディックが本音を吐いた。 ...続きを見る

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2017/07/06 14:50
ホッと空の物語34‐海峡のモグラ-青天の霹靂
ホッと空の物語34‐海峡のモグラ-青天の霹靂 7月6日、パリのオーレ事務所 ディック、ロビンスの顧問弁護士デュプレー、杉村、端元、近藤そしてオーレと主要メンバー全員が揃っていた。 FCBが離脱しロビンスとKHIの2社で続行することになった。シアトルで離脱しますと言ったが、なぜかロビンスは残ってきた。そしてわたしのすぐ後にパリに戻ったようだ。 情勢分析と今後の対応を練るということで集まったが、特別な妙案がある訳では無く、重苦しい空気に感じていた。 私は長旅続きの疲れや空腹でぐったりとソファーにもたれていた。誰かが「遅いナー、ボツボツ夕食... ...続きを見る

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2017/07/04 11:08
ホッと空の物語33‐海峡のモグラ-不可解な動き
ホッと空の物語33‐海峡のモグラ-不可解な動き 三社から二社へ... コスト積算を待つ段階で、不可解な動きが出てきた。 5月08日(金)になって、T2,3は原点に戻ってスラリー式が採用されるとの情報が何処からか出てきた。これに対して、FCBとロビンスはT1と同じ形式の土圧式を本案とし、スラリー式はオプション(別途見積り)で出す。MCSの土圧式は出さないと言いだした。 何故こんな情報に惑わされるのか、私には受け入れ難い。 猛烈に反論して、MCSは代案(オルターナティブ)として出す事になった。出さなければ消滅してしまう。 5月22日によう... ...続きを見る

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2017/06/27 15:23
ホッと空の物語32‐海峡のモグラ-休息
ホッと空の物語32‐海峡のモグラ-休息 ようやくT2,3の三社コンソの活動は軌道に乗り、後はコストの積算となった。これは各社の進捗待ちで、時間的に余裕が出来た。そこで妻を呼ぶ事にした。5月2日に来仏した。早朝便で着いたが寝坊をしてしまい、迎えに行くのが遅くなった。ドゴール空港で妻を捜して走っていると、「あなた」と呼ばれ、立ち止まり見つめる。傍らにいた多くの日本人が目を眩しくして二人を見ている。ちょっとした映画の主人公の気持ちであった。 5月3日から5日にかけて、スイス観光に出かけた。事前計画なしである。朝早く、リヨン駅に行き、TGV... ...続きを見る

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2017/06/23 11:20
ホッと空の物語31‐海峡のモグラ-三社コンソーシアム成立
ホッと空の物語31‐海峡のモグラ-三社コンソーシアム成立 三社コンソーシアム 2月26日(木):TMCマルタン社長、フィルマン氏へ三社合意を報告した。マルタン氏は非常に喜んだが、三社であってもコストが合わなければ発注できないと釘を刺すのを忘れなかった。 新たな段階に入ったと言う満足感を持って、2月29日(日)に帰国した。 ...続きを見る

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2017/06/22 09:24

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